インターネット通販を利用するライフスタイルが定着し、時間を気にせずに受け取れるニーズの高まりから、ワクイの技術を活かした宅配ボックスのプロジェクトがはじまりました。しかし、従来のワクイの環境ステーションと異なる「荷物が雨に濡れてはいけない」「セキュリティが最優先」、さらには「使わないときはスリムに」といった課題が開発チームを悩ませました。デザイナーと職人が何度も構造の検討を重ね、試作を繰り返すこと約６ヶ月。ようやく完成にこぎつけた「MULFOL-T（マルフォル ティー）」は2020年2月の「第43回 ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2020」において、準グランプリ、経済産業省製造産業局長賞を受賞。デザイン性の高さと実用性を評価されました。また、日経MJ主催の2020年に登場した約2500の商品の中から、個性が光った新製品をMJのコラム執筆者が選ぶ、2020年第二回MJMJ新製品賞「気になる」部門にて1位をいただきました。

宅配ボックスはとても便利だけど、いつもあのサイズのものが玄関そばに置いてあると圧迫感があり、邪魔に感じるのではないか。そんな考えから「使わないときはスリムになる」ことが至上命題でした。展開すれば2Lペットボトルの6本入りケースが2ケース入る容量。たたむとわずか12.5cmの厚さ。ワクイの精密な金属加工技術が可能にした構造です。
※MULFOL-T(マルフォル ティー)は、新潟県燕市で生産された商品に対して、商品の原産地と品質安全性を証明する「メイド・イン・ツバメ」の認定証を取得しています。

普段はスリムな状態、配達がある日だけボックスを展開してセット。ロック方法を誰が見ても迷わないようわかりやすく表示し、配送業者・オーナーどちらにも使いやすくしました。ボックス内には印鑑を入れるポケットも。また、アンカーボルトやワイヤーなどで本体を固定できます。

ボックスの上面をすっぽりとカバーすることで風雨から荷物を守ります。また、内部に中パネルを設けることで開口部と背面からの水の侵入を防ぎ、カバー収納時にも水滴が入らないような構造に。さらに、サイドパネルに止水テープを使うことで、展開した際の隙間を塞いでいます。荷物を濡らさないために最大限の工夫を凝らしました。


※完全な防水構造ではないので、台風や風雨の強い気象条件によっては水が侵入することもあります。屋根のある場所に設置するのがおすすめです。